結論から言うと、小規模事業者持続化補助金(一般型 通常枠)では、ホームページの制作費は「ウェブサイト関連費」として補助対象になります。ただしホームページの費用だけで申請することはできず、チラシや展示会出展など、ほかの補助対象経費と一緒に申請する必要があります。また、ウェブサイト関連費として申請できる補助金の額には30 万円(税込)の上限があります。

本記事では、2026 年 7 月 21 日改版の「第 20 回公募 公募要領(第 8 版)」と補助金事務局の公式サイトをもとに、第 20 回の日程、補助率と上限、ホームページ費用の扱い、申請の流れ、つまずきやすい点、制作会社に依頼する前に確認しておきたいことを整理します。公募要領は必要に応じて改定されることがあるため、申請の際は必ず最新の公募要領と事務局の案内をご確認ください(本記事の内容は 2026 年 11 月 4 日時点のものです)。

まず結論:ホームページ費用の扱い

  • 対象になるか:なります。販路開拓等を行うためのウェブサイトや EC サイトの開発・構築・更新・改修・運用に要する経費は「ウェブサイト関連費」に該当します。
  • 単独で申請できるか:できません。公募要領に「ウェブサイト関連費のみによる申請はできません」と明記されています。
  • いくらまでか:ウェブサイト関連費の補助金交付申請額の上限は 30 万円(税込)です。
  • いつ発注できるか:交付決定日以降です。採択の通知を受けただけでは発注できません。
  • いつ受け取れるか:事業が終わり、実績報告と金額の確定を経たあとの後払いです。

また、この補助金は「自社で策定した経営計画に基づく販路開拓等の取組」を支援するものです。ホームページを新しくすること自体が目的ではなく、その取組の中でホームページがどう売上につながるのかを事業計画で説明できることが前提になります。

第 20 回の日程

公募要領(第 8 版)と商工会議所地区の補助金事務局サイトに掲載されている第 20 回の日程は次のとおりです。いずれも「予定は変更する場合があります」とされています。

項目日程
公募要領公開2026 年 5 月 27 日(水)
申請受付開始2026 年 11 月 5 日(木)
事業支援計画書(様式 4)発行の受付締切2026 年 12 月 4 日(金)
申請受付締切2026 年 12 月 15 日(火)17:00
採択発表2027 年 3 月頃予定
交付決定採択発表から概ね 1〜2 か月かかる場合あり(目安)
見積書等の提出期限2028 年 2 月 29 日(火)
補助事業実施期間交付決定日から 2028 年 3 月 31 日(金)まで
実績報告書の提出期限2028 年 4 月 10 日(月)

注意したいのは、様式 4 の締切が申請締切より 11 日早いことです。公募要領では、様式 4 の受付締切以降の発行依頼は「いかなる理由があってもできません」とされています。申請締切の 12 月 15 日だけを見て準備を進めると間に合わないおそれがあります。

補助率と補助上限額

区分内容
補助率2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は 3/4)
補助上限(通常)50 万円
インボイス特例50 万円上乗せ
賃金引上げ特例150 万円上乗せ
両特例の要件をともに満たす場合200 万円上乗せ

特例による上乗せは、それぞれの要件を補助事業の終了時点で満たしている場合に限られます。公募要領では、特例を希望したのに通常枠または特例の要件を 1 つでも満たさなかった場合、上乗せ部分だけでなく補助金全体が交付対象外になるとされています。特例を使うかどうかは、要件を確実に満たせるかを確認してから判断してください。

補助対象となる経費は、機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費の 8 種類です。

ウェブサイト関連費のルール

ホームページに関わる費用は、原則として「ウェブサイト関連費」で計上します。公募要領では、ウェブサイトやシステム開発に係る委託・外注費や、自社ホームページ・EC サイトで使う動画や写真の制作費用も、ウェブサイト関連費で計上するよう定められています。主なルールは次のとおりです。

  • 単独申請は不可:必ずほかの補助対象経費と一緒に申請します。
  • 上限 30 万円(税込):ウェブサイト関連費の補助金交付申請額の上限です。
  • ソフトウェア使用権の按分:契約期間が補助事業期間を越える場合は、補助事業期間分のみが対象です。
  • 処分制限財産:ウェブサイトやシステムを 50 万円(税抜き)以上の費用で作成・更新する場合、「処分制限財産」に該当し、一定の期間(通常は取得日から 5 年間)、目的外での使用や廃棄などが制限されることがあります。補助事業の目的を遂行するためのホームページの改良や機能強化は、事前承認が必要な「処分」には該当しないとされています。

上限 30 万円の考え方

上限は「補助金の額」に対するものです。補助率 2/3 で計算すると、ウェブサイト関連費の補助金が 30 万円に達するのは、対象となる経費が 45 万円のときです。それを超える部分は自己負担になります。なお、消費税は、免税事業者などの一部の場合を除いて補助対象外とされています。自社がどちらに当たるかは、申請前に商工会・商工会議所や税理士にご確認ください。

公募要領に例示されている対象・対象外

区分例(公募要領より)
対象になる例商品販売のためのウェブサイト作成や更新、効果や作業内容が明確なウェブサイトの SEO 対策、商品販売のためのウェブサイトに掲載する宣材写真の制作費用、商品・サービスを販売するための画像や動画の作成費用、顧客管理システムの構築、業務効率化のためのソフトウェア など
対象にならない例ウェブサイトおよびシステムに関連するコンサルティング・アドバイス費用、補助事業期間内に運用に至らなかったホームページ・ランディングページ、既に導入しているソフトウェアの更新料、家庭および一般事務用ソフトウェア、販売を目的としたシステムやソフトウェアの開発、ウェブサイトに使う画像等の被写体や商品の購入費用 など

「補助事業期間内に運用に至らなかったホームページ」が対象外である点は特に重要です。公募要領では、ホームページで受注システムを作成しても、補助事業終了までに公開して販路開拓の取組を行っていなければ対象外になる例が示されています。完成させるだけでなく、期間内に公開して使い始めるところまでを計画に入れる必要があります。

対象になる事業者・ならない事業者

対象は、日本国内に所在する「小規模事業者」等です。小規模事業者かどうかは、業種ごとの常時使用する従業員の数で判断されます。

業種常時使用する従業員の数
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)5 人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業20 人以下
製造業その他20 人以下

会社役員や同居の親族従業員、試用期間中の人などは従業員数に含まれません。このほか、資本金または出資金が 5 億円以上の法人に 100% の株式を保有されていないこと(法人のみ)、直近過去 3 年分の課税所得の年平均額が 15 億円を超えていないことも要件です。

一方、医師・歯科医師・助産師、医療法人、一般社団法人・公益社団法人、一般財団法人・公益財団法人、宗教法人、学校法人、社会福祉法人、申請時点で開業していない創業予定者などは対象になりません。特定非営利活動法人は一定の要件を満たす場合に限り対象となり得ます。また、過去に持続化補助金で採択された事業者は、報告書の提出状況などによって申請できない場合があります。

対象外になる費用

ウェブサイト関連費の例示とは別に、経費全般に共通する対象外のルールがあります。ホームページの発注で関係しやすいものを抜き出します。

  • 交付決定前に発注・契約、購入、支払い(前払いを含む)等を実施したもの
  • 補助事業期間内に支出が完了していないもの(分割払いやクレジットカード決済は、引き落としが期間内に完了している必要があります)
  • 電話代、インターネット利用料金等の通信費
  • 他社の商品を宣伝するための HP 制作費
  • 補助金応募書類・実績報告書等の作成・送付・手続きに係る費用
  • 売上高や販売数量、契約数等に応じて課金される経費や成功報酬型の費用
  • 「諸経費」など内訳が不明な経費
  • 1 取引 10 万円(税抜き)を超える現金支払
  • 社内の役員・従業員や、代表者・役員の 3 親等以内の親族などへの発注

支払いは銀行振込が原則です。また、発注総額(1 件あたり)が 50 万円超(税込)のものは、2 者以上から見積を取り、より安価な発注先を選ぶ必要があります。相見積は補助事業者自身が別々の企業から取得するよう求められています。

申請から入金までの流れ

  1. GビズIDプライムのアカウントを取得:申請に必要です。公募要領では、取得には数週間程度を要するとされています。
  2. 経営計画・補助事業計画を策定し、商工会・商工会議所に相談:電子申請システムに計画を入力し、地域の商工会・商工会議所に相談します。
  3. 事業支援計画書(様式 4)の発行を受ける:第 20 回の発行受付締切は 2026 年 12 月 4 日(金)です。商工会地区は電子申請システム内で依頼し窓口で面談を受け、商工会議所地区は発行された PDF を電子申請システムにアップロードします。
  4. 電子申請:申請は電子申請システムでのみ受け付けられ、郵送では受け付けられません。締切は 2026 年 12 月 15 日(火)17:00 です。
  5. 採択:採択発表は 2027 年 3 月頃の予定です。
  6. 見積書等の提出と交付決定:採択後に、価格の妥当性を証明できる見積書等(相見積を含む)を提出し、審査を経て交付決定となります。
  7. 発注・制作・公開・支払い:交付決定日以降に発注し、補助事業期間内に制作・公開・支払いまでを終えます。
  8. 実績報告:補助事業の終了後、実績報告書と経理書類を提出します。
  9. 補助金額の確定・請求・入金:確定した補助金額を請求し、交付を受けます。
  10. 事業効果報告:補助事業の終了から 1 年後の状況について報告書を提出します。

なお公募要領では、社外の代理人のみで商工会・商工会議所への相談や様式 4 の発行依頼を行うことはできないとされています。また、事業計画の検討で第三者の支援を受けた場合は、その相手方と支援に係る金額を申請時に記載する必要があり、記載がない場合は虚偽の報告として不採択・交付決定取消になります。

つまずきやすい 4 つのポイント

1. 交付決定前に発注してしまう

採択通知書が届いた段階では、まだ補助事業を始められません。発注・契約・支出ができるのは「補助金交付決定通知書」に記載された交付決定日からです。交付決定までは採択発表から概ね 1〜2 か月かかる場合があるため、制作会社との打ち合わせは進めても、契約・発注・着手金の支払いは交付決定日以降にしてください。

2. 様式 4 の締切に間に合わない

様式 4 は申請締切の前に発行を受ける必要があり、第 20 回の受付締切は 12 月 4 日(金)です。発行にあたっては、商工会・商工会議所が事業計画の内容や提出書類を確認します。計画がまとまっていない状態で依頼しても発行は受けられないため、計画づくりは早めに始めてください。

3. 補助金が後払いであることを見落とす

補助金は事業完了後の精算払いです。制作費はいったん全額を支払い、実績報告と金額の確定を経てから補助金を受け取ります。第 20 回の場合、補助事業実施期間は最長で 2028 年 3 月 31 日まで、実績報告の期限は 2028 年 4 月 10 日です。その間の資金繰りも含めて計画してください。

4. 対象外の費用を見積もりに含めてしまう

コンサルティング・アドバイス費用、申請書類の作成費用、「諸経費」のような内訳が不明な項目、補助事業期間を越える分の利用料などは対象になりません。対象外の経費が見積もりに混ざっていると、採択後に訂正・再提出が必要になります。計上されている経費の大半が補助対象外である場合は、不採択・採択取消になるとされています。

制作会社に依頼する前の確認リスト

補助金を使ってホームページを発注する場合は、通常の発注より確認すべき点が増えます。見積もり依頼の段階で、次の点を制作会社と確認しておくと安心です。

  • 契約・発注・請求の日付を交付決定日以降にできるか:交付決定前の契約書・発注書・着手金の請求は避ける必要があります。
  • 補助事業期間内に公開までできるか:運用に至らなかったホームページは対象外です。納期と公開日を事業計画に合わせられるかを確認します。
  • 見積書の内訳が明確か:「一式」「諸経費」ではなく、デザイン・ページ制作・写真撮影などの項目ごとに金額が分かれているか。
  • 継続費用が分けて記載されているか:ドメイン・サーバーの利用料や保守費などの継続費用を、制作費と分けて記載してもらえるか。対象になるかどうかを商工会・商工会議所や事務局に確認しやすくなります。
  • 消費税の扱い:税抜き・税込みの金額がそれぞれ確認できるか。
  • 相見積が必要な金額か:発注総額(1 件あたり)が 50 万円超(税込)なら 2 者以上の見積が必要です。
  • 銀行振込で支払えるか:支払い方法と支払い期日が、補助事業期間内に収まるか。
  • 実績報告に必要な書類を出してもらえるか:見積書・発注書・納品書・請求書、成果物の画面の写しなど、証拠書類を揃えられるか。
  • 公開後の更新方法:処分制限期間があるため、公開後も自社で更新・維持できる体制になっているか。

なお、採択されるかどうかは審査で決まります。制作会社が採択を約束することはできません。事業計画は事業者自身が策定するものであり、計画の検討で第三者の支援を受けた場合は申請書への記載が必要です。

ホームページ制作費の目安

参考として、スグレルのコーポレートサイト制作の料金は次のとおりです。

プラン価格帯(税抜)
コーポレートサイト(ライト)50〜80 万円
コーポレートサイト(スタンダード)80〜150 万円
コーポレートサイト(高機能)150〜300 万円

※税抜。上記は目安です。要件により変動します。表示価格はすべて税抜きです。

ウェブサイト関連費の補助金には 30 万円(税込)の上限があるため、上の価格帯では制作費の多くが自己負担になります。補助金の対象になる範囲と自己負担額を分けて考え、補助金がなくても投資として成り立つかを判断することをおすすめします。予算別にどのようなサイトができるかは、ホームページ制作の費用相場で詳しく解説しています。

よくあるご質問

ホームページ制作費だけで持続化補助金を申請できますか?

できません。第20回公募要領では、ウェブサイト関連費のみによる申請はできず、必ずほかの補助対象経費と一緒に申請するよう定められています。

ホームページにはいくらまで補助されますか?

ウェブサイト関連費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)です。補助率は2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4)で、事業全体の補助上限は通常50万円です。インボイス特例・賃金引上げ特例の要件を満たす場合は上乗せがあります。

採択が決まったら、すぐ制作会社に発注してよいですか?

いいえ。発注・契約・支払いができるのは「補助金交付決定通知書」に記載された交付決定日からです。採択通知書だけでは補助事業を始められず、交付決定日より前の発注・契約・支払いは補助対象外になります。公募要領では、交付決定まで採択発表から概ね1〜2か月かかる場合があるとされています。

補助金はいつ受け取れますか?

補助金は後払い(精算払い)です。補助事業を実施して支払いを終え、実績報告書を提出し、補助金額の確定を受けてから請求・交付となります。制作費はいったん全額を自己資金などで支払う必要があります。

様式4(事業支援計画書)の締切はいつですか?

第20回の事業支援計画書(様式4)発行の受付締切は2026年12月4日(金)です。申請受付締切(2026年12月15日(火)17:00)より早く、締切以降の発行依頼はいかなる理由があってもできないとされています。

申請すれば採択されますか?

採択は保証されません。公募要領には、審査があり不採択になる場合があること、審査結果によっては申請額から減額または全額対象外となる場合もあることが明記されています。

参考にした公式資料

※商工会地区・商工会議所地区のどちらに該当するかで、問い合わせ先と様式 4 の手続きが異なります。最新の情報は公募要領と各事務局のサイトでご確認ください。