「ホームページを作りたくて 3 社から相見積もりを取ったら、20 万円・80 万円・250 万円と桁が違った」 — 中小企業の経営者が必ず一度は遭遇する HP 制作の見積もりブレ問題です。本記事では、なぜここまでブレるのかを 7 つの要因 で整理し、自社案件の妥当な価格レンジを判断する目線を提供します。

結論:HP 制作費用は「ページ数」だけで決まりません。デザインの作り込み度・機能・コンテンツ・SEO・多言語・運用の 7 つの要因の組み合わせで価格が決まります。自社にとってどの要因が重いかを特定すれば、見積もりの妥当性を判断できます。

なぜ HP 制作費用は 30 万〜300 万円までブレるか

Web 制作は「ページ数 × 単価」で見積もるイメージが強いですが、これは 古い相場感です。2026 年の HP 制作は、ページ数の何倍も 「デザインの作り込み」「コンテンツ制作」「機能の動的性」 で工数が決まります。

たとえば同じ「6 ページのコーポレートサイト」でも:

  • テンプレ流用 + 御社で原稿準備 = 20〜40 万円(5〜10 営業日)
  • オリジナルデザイン + プロカメラマン撮影 + コピーライター起用 = 180〜300 万円(2〜3 ヶ月)

後者は前者の 5〜10 倍。同じ業者でもどちらでも作れるのが、業界の特徴です。

要因 1: ページ数と情報量

最も基本的な要因。ただし「単価 × ページ数」の単純計算では収まりません。

ページタイプ別の工数イメージ

  • トップページ:標準ページの 3〜5 倍工数(要素が多い、印象が決まる)
  • 下層ページ(事業紹介、会社概要等):標準 1.0 倍
  • 事例ページ:1 件 0.5〜1.0 倍。総件数で工数増
  • ブログ・お知らせ:初期構築 1〜2 ページ + CMS 設定

スグレルの目安:標準的なコーポレートサイトで 6〜10 ページ + ブログ / お知らせ機能が、コスパが最も良いボリュームです。10 ページ超は「実は使われない」コンテンツが増えがちで、無駄になります。

要因 2: デザインの作り込み(テンプレ vs オリジナル)

HP 制作コストに最も効くのが デザインの作り込みです。同じ機能でも、価格は 3〜5 倍違います。

レベル説明係数
テンプレ流用WordPress や STUDIO テーマを軽くカスタマイズ。色 / ロゴ差し替え1.0
セミオリジナルテンプレベース + 大幅レイアウト変更 + デザインパーツを足す2.0〜2.5
フルオリジナルFigma で 1 から設計、独自トーン & マナー、ブランドガイドライン込み3.0〜5.0

判断軸:「業界内で差別化が必要か」。建築設計・コンサル・高級飲食など競合との差が信頼性に直結する業種ならフルオリジナル、地域密着型の士業・歯科などはセミオリジナルで十分。

要因 3: 動的機能(CMS / 予約 / 会員)の有無

「静的な情報サイト」と「動的な業務システム的サイト」では、工数が桁違いになります。

動的機能のコスト目安

  • CMS(ブログ更新機能):+10〜30 万円(WordPress 標準設定)
  • お問い合わせフォーム + 自動返信:+5〜15 万円
  • 予約システム(カレンダー連動):+30〜100 万円
  • 会員制(ログイン、マイページ):+50〜200 万円
  • EC / 決済機能:+50〜300 万円(決済種類 / 商品数次第)

会員制や EC が必要なら「Web 制作」というより 「業務システム開発」の領域。スグレルでも、規模次第で 業務システム開発サービス として別建てでご提案するケースが多いです。

要因 4: コンテンツ制作(撮影 / コピー / 翻訳)

意外と見落とされるのが コンテンツ制作費。原稿・写真を「すべて御社で用意する」か「制作会社で作る」かで、価格が大きく変わります。

コンテンツ制作の費用感

  • 原稿執筆(コピーライティング):1 ページ 3〜10 万円。プロライターで質と SEO が変わる
  • プロカメラマン撮影:1 日拘束 8〜15 万円。社員写真、店内、商品の質感が劇的に変わる
  • 動画制作:15〜60 秒のブランド動画で 20〜100 万円
  • 翻訳:1 ページ 1〜5 万円(言語次第)。AI 翻訳のみで済ますと品質と SEO が落ちる

全コンテンツ制作を外注すると、HP 全体の 20〜40% がコンテンツ費。逆に御社内に「文章を書ける人」「カメラができる人」がいれば、ここを抑えて HP 全体を 30〜50% 安くできます。

要因 5: SEO / 表示速度 / 構造化データの作り込み

2026 年の HP 制作で 「SEO 込み」の意味は業者によって大きく異なります。「キーワードを 1 ページにいくつか入れる」レベルか、「技術 SEO + 構造化データ + Core Web Vitals 100」レベルか。

SEO の作り込みレベル

  • レベル 1(標準込み):title / description、サイトマップ、Search Console 登録
  • レベル 2(+5〜15 万円):キーワード戦略、構造化データ、LCP 改善、OG 画像最適化
  • レベル 3(+20〜50 万円):キーワード調査、競合分析、コンテンツ SEO 設計、Lighthouse 100 維持

広告予算が月 30 万円超の業種なら、初期 SEO に 20〜50 万円かけても 1 年で広告費が削減されるので投資価値あり。広告予算ゼロの BtoC 業種ならレベル 1 で十分なケースも。

要因 6: 多言語対応の本数

海外展開、訪日インバウンド向けには多言語対応が必要。言語数 × 翻訳工数で費用が上がります。

  • 1 言語追加(英語など):+15〜40 万円(翻訳 + デザイン調整)
  • 3 言語対応(日中英):初期費用が 1.5〜2 倍に
  • 5 言語超:翻訳管理ツール(i18n)の組み込みが必要、+50〜150 万円

AI 翻訳(DeepL、ChatGPT)で大半は自動化できますが、業界専門用語と SEO キーワードはネイティブ確認が必要。完全 AI 翻訳のみだと、後で SEO 順位が伸びないという落とし穴があります。

要因 7: 運用 / 保守体制

初期費用と並んで重要なのが 月額保守費。HP は作って終わりではなく、サーバー監視、CMS 更新、セキュリティパッチ、コンテンツ追加が継続的に必要です。

保守レベル別月額

  • 最低限(月 0.5〜2 万円):サーバー監視、緊急対応のみ。自社で更新
  • 標準(月 2〜5 万円):サーバー + 月 1 回のコンテンツ更新 + バックアップ
  • 本格(月 5〜15 万円):月次の SEO 分析レポート、改善提案、CMS 大規模更新

「月額 0 円で何もしない」は短期的には魅力的ですが、3〜4 年でセキュリティリスクが顕在化します。最低レベルの保守は入れる ことを推奨します。

価格レンジ別の典型例

20〜40 万円:テンプレ流用、自社原稿

開業直後の士業、地域密着型サービス業、新規参入のスモールビジネス向け。STUDIO / Jimdo / WordPress テーマ流用で、5〜10 ページ + お問い合わせフォーム + ブログ機能。

50〜120 万円:セミオリジナル、CMS 構築

中小企業の標準ライン。コーポレートサイト 6〜10 ページ + ブログ + 簡易制御画面。スグレルのLP・コーポレートサイト制作もここをメインターゲットにしています。

150〜300 万円:フルオリジナル、撮影・コピー込み

BtoB 大手、年商 10 億円超の中堅企業、ブランド重視の業種。フルオリジナル Figma 設計、プロ撮影、コピーライター起用、Core Web Vitals 100 対応、SEO 戦略含む。

300 万円超:業務システム的 HP

会員制 + 予約 + EC + 多言語 + 業務連携など。実態は「Web 制作」より「業務システム開発」。スグレルではこのレンジは 業務システム開発サービス として対応します。

安く済ませる 4 つのコツ

コツ 1: 必要なページ数を絞る

「あれもこれも」と 15〜20 ページを希望すると、結果使われないページが半数。初期は 6〜8 ページに絞り、必要に応じて後から追加する方が、結果的に総コストが安くなります。

コツ 2: 原稿と写真を社内で用意する

社員撮影 + iPhone 写真 + 社内ライターで、コンテンツ費用を 30〜100 万円分カットできます。プロが必要なのは「トップページのキービジュアル」と「代表挨拶」だけというケースが多いです。

コツ 3: STUDIO や Wix を活用する

年商 1〜3 億円規模で、ブランド差別化より「サイトがあること」が最優先なら、STUDIO / Wix / Jimdo + プロが軽くカスタマイズ、というハイブリッドが最もコスパ良し。

コツ 4: 多言語は初期 1 言語、後で増やす

最初から 5 言語対応は不要。日本語版で受注を取り、需要が確認できてから 2 言語目を追加する方が、初期投資の無駄が減ります。

よくあるご質問

コーポレートサイトの相場はいくらですか?

中小企業の標準的なコーポレートサイト(6〜10 ページ、CMS あり、レスポンシブ対応、SEO 基礎込み)で 50〜120 万円が相場です。テンプレ流用なら 20〜40 万円、フルオリジナルデザイン + コンテンツ撮影込みなら 150〜300 万円。価格レンジは『デザインの作り込み度合い』と『コンテンツ制作の有無』で大きく変わります。

LP(ランディングページ)の相場は?

1 枚の LP は 15〜50 万円が標準。テンプレベース + 自社コピーで 15 万円〜、オリジナルデザイン + コピーライティング込みで 30〜50 万円。広告連動・A/B テスト・データ計測まで含めると 80 万円超になるケースもあります。広告予算が月 30 万円超なら、LP の制作費を惜しまない方が ROI が高い傾向。

なぜ業者によって見積もりが 10 倍違うのですか?

Web 制作は『何を作るか』だけでなく『誰が・どこまで作り込むか』で工数が大きく異なるためです。テンプレ流用で 5 日で作る業者と、フルオリジナルで 2〜3 ヶ月かける業者では、工数が 10〜20 倍違うので、価格も自然にそうなります。安い業者が悪いわけでも、高い業者が良いわけでもなく、御社のニーズに合うレンジを選ぶことが重要です。

WordPress と Wix、どちらを選ぶべき?

更新頻度が高く、ブログや事例追加を自社でやりたいなら WordPress(自社運用 or 外注)。デザインに凝らず、低コスト・短期で立ち上げたいなら Wix / STUDIO / Jimdo。スグレルでは『自社で運用したい中小企業』には WordPress、『デザイン重視 + 速度優先』には Next.js / Astro / 静的サイトを提案します。